2014年11月11日火曜日

離婚した時、家は誰のものになる?

離婚を決めた際、夫婦間で色々と揉め事は起きるものですが、中でも大きな問題になりがちなのが財産分与です。財産分与とは、婚姻中に得た財産を誰のものにするのか、夫婦で分配する割合を決める制度の事です。

この財産には、現金だけでなく、家具や自動車といったものも含まれます。財産分与の金額は、家計への貢献度などを考慮して分配されます。過去の裁判の判例などから、夫婦の家庭への貢献割合はどちらも50%とみなされるのが通例です。つまり、専業主婦であっても財産の半分が貰えるという事です。これは、妻が家事や育児を頑張ってくれているからこそ、夫は仕事に専念出来るのであり、即ち二人で稼いだお金である、と判断されるためです。

当然ながら、家や土地などの不動産も財産と扱われますので、財産分与の対象です。しかし、離婚した時の財産分与では、家に関するトラブルが特に多いです。不動産は金額が大きいですし、価値の算定も難しく、しかもローンの支払いが残っている事も多いため、誰が住み続けてローンの支払いはどうするのか、分配方法で揉め事が起きやすいのです。

マイホームの価値は、不動産業者に査定してもらうのが一般的です。複数の業者に見積もりを依頼して平均値を出す事で、より正確な価値がわかります。住宅ローンの残り金額が家の査定額を下回っていた場合は、家を売却して、残った金額を夫婦で50%ずつの割合で受け取れば問題無いです。一方で、住宅ローンが家の査定額を上回っていた場合(オーバーローン)は、財産ではなく借金です。ですが、財産分与は借金についても夫婦で折半すべきと判断されているので、夫婦どちらもが残りのローンを半分ずつ支払っていかなければなりません。

家は名義と住宅ローンがあるのでややこしい


しかし、家は離婚した時に売却してしまうだけでなく、どちらか一方がその後も住み続けるというケースも多いです。大抵の場合、家の名義は夫になっているので、離婚後も住み続けるのは誰かというと、夫の方になるのが一般的でしょう。仮に不動産価格が1500万円で、ローンが1000万円残っていた場合は、500万円の財産と扱われます。その半額の250万円が、夫から妻に支払われるべき金額です。ただし、家の購入時期が婚姻前で、その後婚姻中にローンを支払い続けていたという場合は、婚姻前に支払っていた分を差し引いた金額を夫婦で分配する必要があるので、少々ややこしい事になります。

なお、上記はあくまで一般的なケースの例です。財産分与の割合が夫婦で50%ずつの割合というのは目安でしかなく、個々の家庭の事情などによって大きく変わる場合もあります。詳細な分配方法は夫婦間で話し合って決めますが、それで合意に至らない時には、離婚調停や裁判に発展する事になります。シングルマザーの収入は少ないだけに、財産分与、特に家に関するお金については、誰が住み続けるのかはっきりと取り決めておく事が重要です。