2014年9月11日木曜日

シングルマザーの貧困率

日本は長引く不況で、経済的にかなり厳しい生活を強いられている家庭が増えています。その中でも、シングルマザー(母子家庭)のお金の悩み、貧困率は深刻な状況に陥っています。

貧困率とは、主に相対的貧困率の事を指し、等価可処分所得が中央値の半分に満たない世帯員の割合と定義されています。厚生労働省によると、2012年の所得の中央値は244万円でしたので、つまりは年間所得122万円以下の人が貧困層と扱われます。またNHKの「子どもクライシス」という特集番組では、日本におけるシングルマザーの貧困率は、およそ6割にも上ると報道されています。

以下のグラフは、2011年のシングルマザーの所得の分布ですが、100万円にも満たない世帯が3割近くもあります。シングルマザーの平均年収はわずか181万円しかありません。


女性は結婚を機に退職する事が多い上、再就職も難しく、賃金の安い非正規雇用で働かざるを得ないケースが半数以上を占めているといい、これがシングルマザーの最大の悩みとなっています。育児との兼ね合いで、長時間勤務が困難である事も、収入の低さに繋がっています。これがシングルファザー(父子家庭)の場合、年収はシングルマザーの倍の360万円となっています。こうした男女による収入の差を考えると、日本でシングルマザーが子供を養っていく事は極めて困難です。

日本のシングルマザーは世界で最も貧困率が高い


海外と比べても、日本は特に一人親で子供を育てていくのが困難な傾向にあります。OECDの調査によると、2000年代半ばの、日本で両親がいる世帯の貧困率は10.5%と、そこまで高い数字ではありません。しかし、一人親世帯の貧困率は58.7%にも上っており、OECD加盟国30か国の内で最低となっているのです。

また、貧困家庭で育った子供は、学校で満足に勉強が出来ない事から、低学歴のまま就職せざるを得ない事が多く、自分が親になっても貧困から抜け出せない確率が高いのです。こうした貧困の連鎖は、少なくとも三世代続くと言われており、その問題は非常に根深いです。

ただ、児童手当、児童扶養手当、児童育成手当など、日本でもシングルマザーを援助する制度は数多く用意されています。それでも尚生活が困窮している場合には、生活保護を受けるという手段も考えられます。シングルマザーがこれからの日本で生き抜いていくためには、一人で悩まずに、このような国や自治体の助成金制度を積極的に利用するのが望ましいです。